おふろナースの役割①可否判断
さて、今回は訪問入浴看護師の役割についてつらつら書いてみようと思います。
一番大事なのは入浴の可否判断。
お風呂前と後にバイタルチェック(お熱や血圧を測ること)をしますので。
普段と変わりがないか、主治医から許可値(熱が何度以上ある時、血圧が高いときはお風呂はやめてねと言った数値)が出ている場合はその範囲内にあるかを見てお風呂に入ってもいいかどうかを他のスタッフに伝えます。
はっきり言いますが…判断に迷うときもあります。
その時はまずご本人(意思疎通が図れる方の場合になりますが)とご家族などの介護者に報告。お客さんのことを一番わかっているのは普段から見ている介護者さんなので。
その時にご希望も確認します(無理に入らなくていい、体拭きでもいい、さっとでいいからお風呂に入れてほしいとかですね)。
ただし、基本介護者さんも専門家ではないので、それだけで決めることは少ないです。
主治医や訪問看護がいる場合はそちらにも相談します。
なので、おふろナースには電話応対のマナーは必須です。
というか、どんな仕事でも電話使う以上はね…わかっちゃいるけどね…。
というのも、ワタクシはお恥ずかしながら電話が苦手でして。
電話で怖い思いをしてトラウマになったせいと思いますが。
それはともかく、電話相談の注意点もあり。訪問看護師さんによっては相談の電話をするとそんなの知らねーよ、主治医に言ってよという人もいたり、主治医に電話をしても往診などでつながらなかったり(そのくせ後からなんで入浴させたんだとか文句言ってきたりする…家族の希望だっちゅーの。てゆーか往診やら在宅医療やってる医者が何でケータイの一つも持ってないんだい?これは在職中のワタクシの経験です)。
そういう事態に備えて、できれば担当者会議(在宅介護を支えるスタッフが集まる会議が定期的にあるので)などで事前に確認できるのが理想です…。
あ、当たり前すぎるので忘れてましたが、バイタルサインに関する知識も必須です!
体温、脈拍、呼吸、血圧、酸素飽和度
測り方もそうですが、数値が意味するもの、対処方法(測れなったり、低値・高値が出た場合の判断)等々。
訪問入浴では別に高度な知識を求めはしません。普通に臨床経験が数年ある程度の知識で十分なんですが、それがクセモノでして。
あ、熱がある?(こもっているだけじゃないの?高齢者にありがち)
血圧が高い?(トイレの後じゃない?頭高くして少し休んでから再チェックしてもよくない?)
酸素測れない(手先冷たくない?他呼吸状態は?)
腕が拘縮している(関節が固まっている状態)のにどうやって血圧測るの?
とかザラなので。
下手に派遣やバイトで来たナースより長くこの仕事をしているヘルパーの方がよほどわかっていたりするんですよね。
どんな仕事でもそうですが、一人で抱え込まないことが大切ですね(笑)。
訪問入浴がなぜ存在するのか?
あくまでもワタクシの考えですけどね。
自分でお風呂に入れなくなった人のためにあれこれお風呂に入るためのサービスがあるのに、なぜ訪問入浴なるものがあるのか?
あ、これ特にケアマネさんに見てほしいところです(笑)。
といいますか、ケアマネさんの職場(居宅介護支援事業所)に訪問入浴の業者が挨拶という名の営業に来ていると思いますが、そこで言っていることだと思います。ワタクシもサブ的にですが営業もやっていたので(営業もできるナース。嬉しくない)。
で、なぜ訪問入浴なるものがあるのか?
前回の記録で書いた通所介護(デイサービス)、訪問介護(ヘルパーさん)、訪問看護では入浴のお手伝いが困難な場合があるので。
①外出を嫌がる人とかそもそも外出することが大変、もしくは寝たきりなどで外出できるような状態ではない場合。
②自宅のお風呂での入浴介助がヘルパーさんや訪問看護師さんでも困難な場合(お風呂まで移動ができない、お風呂の構造上人が介助できるようにできていない、もしくは危険性が高い)。
が主なところかと。
もちょっと具体的に書くと寝たきりや障害でご自分では動けない人、自宅内での車いす移動が困難な人、シャワーチェアー(お風呂用のいす)に座るのが困難な人、人工呼吸器や酸素吸入、点滴、カテーテル、ドレーン、モニターなどの付属品がついている人。骨折などで患部の安静が必要な人、心臓や呼吸器系等の疾患があり、入浴による体の負担がかからないようにする必要のある人、死期が近くていつ状態が変わるかわからないけれどもお風呂に入りたい、入れてあげたいとご希望がある人…。
自分では自宅のお風呂には入れない、お風呂に入るにあたって何らかの配慮を必要とする人に訪問入浴はご利用いただいております。
次はおふろナース(訪問入浴看護師)の役割について書こうかな。
はじめまして。
ワタクシ昨年まで訪問入浴の看護師として働いていました。
この仕事好きだったのですが、いろいろありまして?退職。
在職中の思ひ出や訪問入浴や在宅介護に興味がある人にむけたクソバイス的メッセージ(いや~アドバイスなんておせっかいという名のクソバイスでいいよね)などをつらつら記録していきたいと思います。
まずは、訪問入浴とは。
3人一組で浴槽持ってお客さんのお宅にお伺いして入浴の介助を行うサービスです。
お客さんは入浴の会社によって多少変わると思いますが、介護保険を利用されている要介護者(要支援も含む)が8~9割。あとは在宅生活を送られている障がい者が主なお客さんです。
はっきり言いますが、マイナーなサービスです。
ワタクシもなぜ訪問入浴なるものを知ったのか、そもそも謎でして。
いや?派遣ナースをしていた友人から聞いたのだったかな?今一つ記憶が??ですが。
ともかく。マイナーです。特に介護保険では。
というのも、介護が必要になった人やそのご家族などがケアマネージャーさん(介護支援専門員。略してケアマネさん)に「独りでお風呂に入れなくなった。家族が手伝うのも無理がある」と言った相談をした場合。
通所介護(デイサービス)や訪問介護(ヘルパーさん)、訪問看護をオススメされることが多いからです。
要介護者のお風呂に関わるサービスが介護保険で使えるサービスにいろいろある上にデイサービスとかヘルパーさんとか訪問看護婦さんの方がはっきり言ってメジャーでしょ?(笑)。
それに、訪問入浴使うよりその辺使う方が単価的に安いんです。
訪問入浴1回1250点(1点10円です)。通所介護だと確かあれこれ加算つけても1回1000点も行かなかったような。
訪問入浴、介護保険1割負担で(要介護者の経済状況により1割から3割の自己負担があります)1250円(現時点で。時々改定されるので)。保険使わず自費10割だと12500円。
お風呂1回入るのに12500円!!
訪問入浴というものが3人一組で行うサービスということと、そのうちの一人が看護師でなければならない(サービス内容によって異なることもありますが)ので。
ぶっちゃけ人件費と思われます。
そんなマイナーかつお金がかかる訪問入浴なるサービスがなぜ存在するのか?(笑)
次回ネタにします。